ふーみんの無限世界

エッセイ、詩、小説の可能性を信じて

人生の教本

私に与えられた教本は
とても難しくて
解けずに日々苦悶し
度々間違えては
バツの字をつけられて
消すこともできず
無理に落とそうとこすっても
赤く字が滲むばかり
やり直すことも
進むこともできぬまま
解けない項に
泣きながら顔をうずめて眠る日々
なぜ私にこのような難しい教本をくださったのですか
弱い私の身の丈に似合うだけの
教本を与えられないのは
なぜですか
生まれたときには
まっさらの美しかった私の教本は
今では間違いだらけの
涙の滲んだよれよれの代物です
それでも死ぬまで
これと向き合わなければなりませんか
少しでいいので
解き方を教えてくれませんか