ふーみんの無限世界

エッセイ、詩、小説の可能性を信じて

欲しいもの

狂おしいほど 人を欲したことはありますか
胸を搔きむしられるような 寂しさを感じたことはありますか


今離れたばかりなのに
もう会いたくてたまらないことはありますか


いくら想っても 叶わないことを知っているのに
ただ空を見上げて
涙を流すことしかできない経験をしたこと ありますか


愛することはもしかしたら望んでできるかもしれない
でも恋は望んでできるものではなく 落ちるもの


意志じゃない
抗えない熱の塊


なにもかも捧げてしまいたいほど
ただ 好きなだけ
他にはないにもいらない


なのに わからなくなる
私は本当に
彼を想っているのだろうかと


独りよがりの自分勝手な情熱に
自分自身が焼き尽くされてしまわないように


この世で一番欲しいものから
目を逸らしていようか


ただ恋焦がれて
届かぬ月を眺めるように
見つめ続けていようか